早速ですがケイテンプッシュという言葉をご存じでしょうか。
形式テンパイの状態で危険牌を押すことを指す言葉ですが、実戦中に出てくる頻度が比較的少ないため、戦術本や講義動画ではあまり扱われることがない分野です。
しかし実践譜にて面白い場面がありましたので、AI解析とともに考察を深めたく記事に起こしました。
是非ともケイテンプッシュについて、一緒に考えてみてください。

箸休め…と思ったら意外と面白いかも?

押し引き基準を養うためにもしっかり役立つ内容だよ!
★この記事で得られること★
- ケイテンプッシュの概要がわかる
- 押し引き判断に関わる要素がわかる
ケイテンプッシュとは?
改めてケイテンプッシュとは、形式テンパイの状態で危険牌を押すことです。
つまり海底・河底・槍槓・嶺上開花などの役が付かない限り、自分のアガリ目がゼロの状態で放銃リスクを負う行為と言い換えることもできます。
ここでケイテンプッシュのメリットとデメリットを列挙します。
メリット
- 流局すればテンパイ料を貰える
- 親番ならば連荘できる
- 偶然役でアガれる可能性が残る
デメリット
- 放銃リスクを負う
- アガれる可能性が極めて低い
したがってケイテンプッシュのメリットは、子ならほとんどテンパイ料に尽きます。
親番ならば押し切ることができれば連荘に繋がるため、特に南場でラス目の親番などはケイテンプッシュのメリットが大きくなります。
そしてデメリットはほとんどが放銃リスクに集約されますので、ケイテンプッシュはテンパイ料や連荘と放銃リスクを天秤にかけて判断を下すことになります。
ここまでのケイテンプッシュの概要を踏まえたうえで、実践譜を見ていきましょう。

メリットが小さくなりがちだから、ケイテンプッシュは出現頻度が低いんだね…!

でもテンパイ料は他家と最大で4000点差を付けられるから意外と大事!
実践譜とAI解析
問題の局面
図1は実践譜から抜粋した場面です。まずはこの場面だけを見て1pを押すかどうか、考えてみてください。
ちなみに対面の副露は、1巡目に白ポン・打2m、3巡目に發ポン・打4m、6巡目に發カカン・打北です。そして自分は15巡目に4sチー・打6mです。

点数状況
現在は東3局で自分は40,600点持ちのトップ目の親番です。そして仕掛けている対面は13,400点持ちのラス目の子です。
放銃時の失点
まず対面は白と發を鳴いていますが、基本的には役役ホンイツの満貫以上が濃厚な仕掛けに見えます。
また字牌は南しか残っていないのでピンズの1~7と南の計8種が明確な危険牌であり、それらの牌で放銃した場合には満貫~跳満の失点となります。
放銃率
1pの放銃率ですが、危険牌が8種あるため単純計算の1÷8で12.5%、そこから補正をかけると概算で10%程度と見積もることができます。
補正については、例えば4pは両無スジのため放銃率が25%弱程度に上がる、といった具合に8種の牌の中でも危険度には差がありますので、その差を反映させるための補正です。
巡目
仮に1pを押して通ったとしても、ツモ番があと2回残っています。
ここで1pを切らずに打6mとした場合は、残り2回のツモ番で134567pのいずれかをツモれたら再び形式テンパイを組むことができます。
したがって残りの巡目次第で、押し引き判断が変わることは大いにあります。

大事なのは相手が満貫以上がほぼ確定の仕掛けという点だよ!

放銃時の失点が満貫以上とわかっていても押すなら相当押し優位ってこと!
図2は先ほどの場面をMAKAに解析させた結果ですが、打6m(77%)でオリ優位となっており1pを押すには見合わないと判断しています。

それでは次節より、下記の通り条件に変更を加えてMortalによる解析結果を見ていきます。
親or子
- 親vs子(実践譜)
- 子vs子
- 子vs親
点数状況
- 自分トップ目、相手ラス目(実践譜)
- 自分トップ目、相手2着目
- 全員25,000点持ち
- 自分ラス目
親vs子
自分トップ目、相手ラス目
まずは実践譜と同じ条件である自分が親で相手が子の場面において、点数状況を少しずつ変えていきます。
図3は実践譜と同じ点数状況でMortalに解析させた結果ですが、MAKAと同じく打6m(91%)でオリ優位となっています。

ちなみに図4は手牌の9sを6sに変えてタンヤオの役アリ5,800点の手にしていますが、この場合は打1p(53%)で押し優位に傾きました。
役アリと役ナシでは押し引きが変わることを確認しましょう。

自分トップ目、相手2着目
続いての図5ですが、自分が40,000点持ちのトップ目、相手が35,000点持ちの2着目という点数状況に変更して解析した結果です。
この場合は打1p(67%)で押し優位となりました。
相手がラス目であればケンカはしないが、相手が2着目のライバルであり放銃してもラスがまだ遠いなら押すメリットが大きい、という判断です。

全員25,000点持ち
最後の図6は全員が25,000点持ちという点数状況に変更した結果ですが、この場合は打1p(96%)で押し優位となりました。
点数状況が有利ではなくなったので、積極的に連荘ないし海底ツモのアガリも目指したいという判断です。

親vs子
- 自分トップ目、相手ラス目:オリ優位
- 自分トップ目、相手2着目:押し優位
- 全員25,000点持ち:押し優位
子vs子
自分トップ目、相手ラス目
次は自分が子で相手も子の条件に変更します。席の並びは実践譜と同じですが、自分が南家で相手が北家となっています。
まずは実践譜と同じ点数状況で解析した結果が図7ですが、打6m(86%)でオリ優位となっています。自分が親の条件では打6m(91%)であり、大きな差は出ませんでした。

自分トップ目、相手2着目
続いての図8は自分が40,000点持ちのトップ目、相手が35,000点持ちの2着目に変更して解析した結果ですが、この場合は打1p(56%)で押し優位となりました。
自分が親の条件では打1p(67%)であり、こちらも大きな差はありません。

全員25,000点持ち
図9は全員が25,000点持ちに変更した結果ですが、この場合は打1p(86%)で押し優位となりました。
自分が親の条件では打1p(96%)で、こちらも近しい結果となっています。

すなわち相手が子であれば、自分が親でも子でもあまり大きな差は出ないという結果です。
連荘の要素はスパイス程度のものであり、押し引き判断は点数状況を重く見て行うことが望ましいと言えます。
子vs子
- 自分トップ目、相手ラス目:オリ優位
- 自分トップ目、相手2着目:押し優位
- 全員25,000点持ち:押し優位
- 親vs子と子vs子に大きな差は出ない
子vs親
自分トップ目、相手ラス目
最後は自分が子で相手が親の条件となります。席の並びは実践譜と同じで、自分が西家で相手が東家となっています。
まずは実践譜と同じ点数状況の結果が図10ですが、打6m(99%)でオリ優位となっています。
相手がラス目の親であれば、トップ目からのケイテンプッシュはあり得ないと言っても差し支えないほど大差の結果です。

自分トップ目、相手2着目
次の図11は自分が40,000点持ちのトップ目、相手が35,000点持ちの2着目の条件ですが、この場合は打6m(73%)でオリ優位となりました。
相手が子の条件ではどれも打1pで押し優位だったので、親に対してケイテンで逆らうことはやはり難しいという結果です。
親ということは放銃時の失点も12,000~18,000点と1.5倍になっており、放銃するとすぐにラス争いに巻き込まれる可能性も秘めているのでオリ優位に傾きます。

全員25,000点持ち
図12は全員が25,000点持ちの条件ですが、この場合でも打6m(64%)でオリ優位となりました。
相手が子の条件ではかなり打1pで押し優位でしたが、相手が親だとリスクが大きすぎるという判断です。

自分ラス目
それでは相手が親でもケイテンプッシュをする点数状況はあるのか…と考えると、それは自分がラス目の場合となります。
図13は自分が15,000点持ちのラス目、相手が25,000点持ちの3着目の親という条件ですが、結果は打1p(93%)で押し優位となりました。

実はこの条件では席を回した影響で、海底手番が上家になっています。
すなわち海底や河底でアガれる確率が極めてゼロに近い状況ですが、それでもケイテンプッシュが優位となり、ラス目のときはテンパイ料の価値が上がるという結果です。
子vs親
- 自分トップ目、相手ラス目:オリ優位
- 自分トップ目、相手2着目:オリ優位
- 全員25,000点持ち:オリ優位
- 自分ラス目:押し優位
- 親相手にケイテンプッシュは基本NG
※麻雀AIに関する記事はこちら!

※実践譜の何切る問題はこちら!


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